スポーツの世界に限らず、世の中に「絶対大丈夫」と言う保証はどこにもありません。
・金メダル確実と言われた選手がまさかの予選落ち
・格下相手に苦戦して辛うじての勝利
・1位で走っていたチームがバトンミスで失格
周囲にも期待され、自分でも記録更新や勝利はほぼ間違いないと思っている時ほど結果が伴わない事はよくある話です。
私も今までのフルマラソンで自己ベストどころか、下手をすれば途中棄権も考えるほどの大失速を2回味わいました。
~下関海響マラソン2012~
前半:1:36’55″ 後半:1:49’23″(3:26’18″)
~延岡西日本マラソン2015~
前半:1:35’42″ 後半:1:57’49″(3:31’41″)
どちらも4’30″/kmペースで突っ込んで30kmで脚が止まり、延岡では両足ふくらはぎの痙攣でまともに走る事すら出来ずに本当に辛いレースでした。
原因は…..走り込み不足でもなく、レース中の故障でもなく、
”絶対自己ベストが出せる!”
と、言う「過信」でした。
下関も延岡もレース当日の体調は絶好調そのもの!練習も順調に積めて、レースの前月、前々月の月間走行距離は350km越えで30km走も複数回こなし、下関の前月にはハーフの自己ベストを2分程更新(1:31’56”)と、周囲のラン仲間からも
”3時間15分切りは確実”
と、言われ自分でもそれなりの自信がありました。
それが蓋を開けてみれば、この有様…..。
レース直後は顔は笑ってましたが、頭の中では….
・あれだけ調子が良かったのに何で?
・15kmまでは応援に手を振る余裕すらあったのに…
・風さえなければ…..
・もっと早くジェルを補給してれば…..
・俺のこの半年間は何だったんだ!!
しばらく経って気が付きました。自分が見失っていたもの。
・ネガティブスプリットの意識
・体との対話
・刻々と変わる環境の変化
私の本来のレーススタイルはネガティブスプリットなので、
・スタートはゆっくり目で入って最初の5kmは流れに任せる・
・「ちょっと遅いかな?」と思えるペースと目標ペースの誤差を10kmまでに修正しながら30kmまでの設定ペースを決定
・30km以降は体と相談しながらイーブンペースを意識しつつ35km過ぎからは心肺機能を徐々に追い込みラストスパート
この結果、目標タイム±2分でゴール。
20分切り、30分切り、と最低ラインを決めてしまうと、ペースに固執してしまうので、
「5kmごとのラップ〇〇分〇〇秒位で行けたらいいなぁ~。」
と、コースや天候の状況に応じてゆる~く考えて走るんです。
しかし、練習が充実して自分でも走力上がった実感があると、
ついつい欲が出てしまうんです。
スタート直前にはもちろん冷静に号砲を待つ自分でいたつもりが、知らず知らずのうちに
「4分半で押して行けば、3時間10分。ラストで上げれば8分台いけるんじゃない?」
「練習も十分詰めてるし、体調もいいし絶対大丈夫!!」
気が付けば、スタート直後はゆっくり入ったつもりが2km通過の時点で既に4’30″/kmペースに入り、呼吸もいつも以上に弾んでる。
更に下関ではサブ3ランナーに4分半のペーサーをお願いしていたので、必死に追い付こうと更にペースアップ。
まさに
”我を失う”
3年前に経験済みだったのに、今年の2月に同じ過ちを繰り返してしまいました。
練習が充実している時ほど
「絶対大丈夫!」
と過信してしまいがちです。
ポジティブな練習を積んで、レースはネガティブなイメージから万全の準備を整えて行きましょう。