マラソンのレース間隔が1ヶ月で2本走る為の調整方法~初心者向け~

【レース間隔が1ヶ月での調整方法~初心者向け~】
「フルマラソンのレース間隔が1ヶ月しかありません。」
「レースに向けての調整方法に悩んでいます。」
そんなご相談を受けました。
調整方法はランナーの体力と走力で変わって来ます。
11月:下関 or 福岡マラソン
12月:宮崎青島 or 防府読売マラソン
1月:指宿菜の花マラソン
2月:北九州 or 熊本城マラソン
3月:さが桜 or 名古屋ウィメンズ
など、九州近郊のフルマラソン大会も
来月から次々と開催されます。
近年空前のマラソンブームにより、
人気のある大会は抽選倍率が上がり
先着順の大会はクリック合戦で
募集開始数時間で定員に達するなど、
マラソン大会にエントリーする事が
最初の関門だったりします。
マラソンブームの悪影響の一つとして、
保険をかけて多めにエントリーする事。
抽選のレースは当たるか分からないし、
クリック合戦でもエントリー出来るか分からない。
その結果、
抽選レースに外れ、クリック合戦にも敗れ、
マラソン大会を走る事の出来ない
マラソン難民のランナーが生まれ、
逆に
クリック合戦に勝ち、その後抽選レースの
当選通知が次々に来て、
過密スケジュールのランナーが生まれます。
・毎週の様に10km・ハーフ・フルとレースに出る
・毎月の様にフルマラソンを走る
今回はフルマラソンのレース間隔が
1ヶ月しかない場合の調整方法を初心者向けに
ご提案します♪
・フルマラソン:5~6時間以上
・月間走行距離:100km未満
・1回の練習走行距離:10km以下
・最長連続走行距離:20~30km
走歴も1~2年と浅く、普段の練習は
週に1~2回で1km6分半~7分でのジョグがメイン
このレベルのランナーが1ヶ月間隔で
フルマラソンを2本走る場合、
1ヶ月でフルマラソン2本=走行距離84km
僅か2日と言うか、2回で普段の1ヶ月分の
走行距離を走ってしまう事になります。
普段の練習では10km程度のジョグがメインで
フルマラソン対策として試走会やロング走など
途中で休憩を挟んで4~5時間かけて30kmを
走る事をレースの1ヶ月前までに1.2回経験。
レース前2ヵ月間、故障無くコンスタントに
練習が出来ているのであれば、
1ヶ月間隔のレース2本は
1本目:本命レースとしてしっかり走る
2本目:1本目のレース後の体の状態と相談
フルマラソンのレース経験が少なく、
月間走行距離も100km以下だと、
フルマラソンに耐えられるだけの
筋肉の持久力が不足しています。
マイペースでフルマラソンを走ったとしても、
レース後半は足の裏やふくらはぎ、
太ももなどの筋肉が固まって痛みが出たり、
膝や股関節などに違和感や痛みが出て来る
可能性があります。
1本目のフルマラソンを走り終えた翌日は
朝は生まれたての小鹿のように
起き上がるのに足が言う事を聞いてくれません(笑
レース後、数日は階段の上り下りは
太ももやふくらはぎ、関節の痛みで
一段一段手すりを使って上り下り、
信号が点滅して、小走りしたくても
足裏に力を込めると、ふくらはぎが攣りそうに…。
内臓へのダメージもあり、
免疫力が下がっているので、
微熱が出たり、風邪を引いたりと
体調を大きく崩すリスクも出て来ます。
1本目のレースを終わった最初の1週間は
ダメージを受けた筋肉や関節の回復と
内臓疲労の回復優先で、ノーラン(走らない)
思った以上にダメージが少なければ、
レース後4日目辺りからウォーキングや
15分程度の軽いジョグで、体全体の
筋肉や関節のダメージを確認します。
走り出しは何ともなくても、
5分と走らないうちに太ももに違和感や
痛みを感じたり、太もも外側(腸脛靭帯)
や内側(鵞足)などが固まって来たりと
普段では感じない様な違和感が出た場合は
すぐに練習を中止して、
アイシングやストレッチなどを十分に行います。
普段の練習を再開するのは2週間後から。
と言っても、次のレースまで
2週間を切っているので、
実際に普段と同じ40~60分のジョグを
行ってみて、いつも通りに走れれば、
それでオッケー。
2本目のレース1週間前に
10km程度のジョグをして最後の1kmだけ
レースペースで走ってみて、
どこに痛みも感じなければ、
残りの1週間は週の半ばに20~30分程度の
ジョグで3~4km程度走って、
後は体調を整えて、本番に備えます。
1本目のレースを完走した事で、
フルマラソン(42.195km)の距離への
不安は軽減しています。
後は2本目のレースを大きな故障無く
完走する事が目標になります。
2本目のレースはとにかく30kmまでは
1本目のレースよりも遅く走る位の気持で
体を労わって走ってい行きましょう。
30kmを過ぎてもどこにも痛みなく、
まだまだ精神的にも余裕があれば、
1本目のレースと同じペースに
少しずつ近づけていくつもりで、
徐々にスピードアップ。
35kmを過ぎても元気なら
そのままのペースでゴールまで
走り切ってください。
どこか痛みがあれば、無理をしない。
歩いたり、走ったり、立ち止まって
ストレッチをしたり、エイドで
スプレーを患部に吹き付けたりしながら、
ゴールを目指してください。
もし2本目のレース1週間前や
4日前のジョグで、3kmも走らないうちに
足の筋肉や関節に違和感や痛みを
感じるようであれば、
DNS(Do Not Start)棄権を考えてください。
これから先も、楽しいランナー人生を
送る事を考えているのなら、
痛みを我慢してまでレースに出る事は
お薦めしません。
オリンピックでメダルを取った
スポーツ選手が引退後にインタビューで
答えた忘れられない言葉があります。
「オリンピックに出て残ったものは、
地位と名誉と壊れた体。」
スポーツの世界は、結果至上主義なので、
期待に応える為に、体に痛みがあっても、
無理をして結果を出さなければなりません。
また、痛みに耐えて勝ち取った勝利を
「美徳」として賞賛する傾向にあります。
応援する側から見れば、感動的だし、
勇気を貰えて元気になれます。
しかし、怪我を押してまで頑張った
本人に残った後遺症の責任は誰も責任を
とってはくれません。
ちょっと、暗い話になってしまいましたが、
自分の体の事は自分しか分からない。
痛みや怪我は、早期発見早期治療が一番です。
・せっかく当選して走れるレースだから
・少々痛くてもどうにかなるやろ~
・旅費やエントリー費がもったいなから
そんな思いで無理して走った事で
レース途中で痛みが悪化して、
レース後、半年以上もリハビリばかりで
まともに走れなかった。
そんな経験が私にはあります(笑
同じ様な辛い思いをして、
マラソン = 辛くて楽しくない
そんな記憶や経験をマラソンに持って
走らなく、走れなくなって欲しくないので、
敢えて書かせて頂きました。
月間走行距離が100km未満なら、
フルマラソンを1ヶ月間隔で2本
走るなら、
1本目:マイペースでしっかり走る
2本目:痛みがなければゆっくり走る
:痛みがある場合は棄権を考える
これからも続くランナー人生のためには
痛みなく楽しく走り続ける事を考えましょう。