フルマラソンでの痙攣対策~暑熱順化と発汗~

マラソン

【フルマラソン後半の痙攣と暑熱順化】

フルマラソンの後半に起こる足の痙攣の原因は色々

・走り込み不足による筋肉の耐久力不足

・オーバーペースによる疲労の蓄積

・気温の上昇による大量発汗と暑熱順化不足

大量発汗が原因の痙攣は直前対策が可能です。

 

 

1月や2月に開催される

フルマラソンのレースで

 

 

天候に恵まれて、

気温も1015℃

絶好のコンディションにも関わらず、

 

 

レースでは30km以降に

太ももやふくらはぎの痙攣に

見舞われて失速してしまう。

 

 

そんな悔しい経験を味わった

ランナーも少なくないと思います。

 

 

レース後半の脚の痙攣の原因は

人それぞれで特定するのは

難しいのですが、

考えられる原因としては、

 

 

・走り込み不足により筋肉が

 炎症を起こした。

 

・オーバーペースによる疲労の蓄積で

 筋肉が凝り固まってしまった。

 

・気温の上昇により大量の発汗と

 暑熱順化不足が痙攣を引き起こした。

 

 

などが考えられます。

 

 

走り込み不足やオーバーペースによる

痙攣を予防するには、

 

 

練習量を増やしたり、練習の質を高める

と言った時間をかけて準備をする

必要があります。

 

 

しかし、

 

 

気温の上昇による大量発汗と

暑熱順化不足への予防は、

 

 

レース1週間前や

場合によってはレース直前、

レース中の対策で対応が可能です。

 

 

<<大量発汗と暑熱順化不足による痙攣>>

 

 

1月、2月に開催されるレースは

比較的気温が低い事が多く、

 

 

晴れていても、風が強いと、

体感温度は10℃を下回る様な

気象条件で走る事が殆どです。

 

 

しかし、稀に天候に恵まれて、

最高気温が15℃近くまで上昇し、

風も無風に近い状態になると、

 

 

ランナーの体は

走る事で空気抵抗を受けて

体が冷えるよりも

 

 

筋肉を動かし続ける事で

発生する熱エネルギーで

体温が上昇してしまい、

 

 

その結果、汗をかく事で

体内の熱エネルギーを逃がして

体温を一定に保とうとします。

 

 

1月、2月のレースでは

この予想外の発汗が

 

 

レース後半の痙攣を引き起こす

原因になります。

 

 

人間の体には

体温調節機能があり、

 

 

常に体温を36℃前後の

一定の状態に保つように

調整を行っています。

 

 

30℃を越える様な夏の時期は

ちょっと動いただけでも

体温は上昇してしまうので、

 

 

体は体温を下げる為に

汗をかく事で体内の熱を逃がします。

 

 

逆に10℃を下回る様な

冬の時期は

 

 

少し体を動かしただけでは

体は温まりません。

 

 

その為、体は汗腺を閉めて
筋肉を縮こまらせる事で

体温を逃がさない様にします。

 

 

この体温調節機能は

環境に適応します。

 

 

夏に近づくにつれて、

徐々に汗腺を開き

筋肉を緩めて行き、

 

 

夏場は常に

体内の熱を逃がしやすい

環境を作ります。

 

 

逆に冬に近づくにつれて、

徐々に汗腺を閉じて

筋肉を縮めて行き、

 

 

冬場は常に

体内の熱を守る様な

環境を作ります。

 

 

夏場に向けて、

徐々に汗のかきやすい

環境に変化していく事を

 

 

「暑熱順化(しょねつじゅんか)」

 

 

と言います。

 

 

ポイントは、

 

 

「暑熱順化」は準備期間が必要。

 

 

つまり、

 

 

冬場の環境に慣れてしまった

体温調節機能は

 

 

汗腺を閉じていて、

 

 

「汗がかきにくい状態」

 

 

になっています。

 

 

しかし、

 

 

フルマラソンのレース当日が

突然の気温上昇で、

 

 

普段のジョグよりも速いペースで

長時間走り続ける事で

 

 

体内の温度上がり、

発汗して熱を逃がす状況に

なったにも関わらず、

 

 

「暑熱順化」の準備が出来ていない。

 

 

そんな状況が起こります。

 

 

突然、発汗が必要になった

体の中はパニックになり、

 

 

体温調節機能が

上手く働かないので、

 

 

脳が慌てて、

「とにかく汗を出して体温を下げろ!!」

 

 

と緊急指令を発動。

 

 

毛穴と言う毛穴が

一斉に開いて、

 

 

突然の大量発汗が

始まります。

 

 

発汗は体内の水分と共に

ビタミンやミネラルも一緒に

 

 

体外に流してしまうので、

 

 

給水所の水やスポーツドリンクだけでは

水分と塩分やミネラルの補給が

追い付かずに、

 

 

脱水症状を引き起こします。

 

 

脱水症状の初期症状は

 

 

「筋肉の拘縮(こうしゅく)」です。

 

 

要は筋肉が固まって来て、

柔軟性が失われます。

 

 

30km以上走って来て、

疲労の蓄積により

柔軟性が無くなり、

 

 

凝り固まって来ている

太ももやふくらはぎの筋肉が

 

 

大量発汗による脱水症状で

更に筋肉の柔軟性が

失われてしまった所に、

 

 

ラストスパートや

ペースを維持しようとして、

 

 

今まで以上に筋肉を力を

込めた瞬間・・・・

 

 

「イテテテ・・・・・!!」

 

 

「脚が攣ったぁ~~~~!!!」

 

 

となる訳です。

 

 

快晴で無風、気温も12℃前後

 

 

絶好のコンディションに加えて
練習もしっかり積めていたにも関わらず、

 

 

30kmを過ぎてから

徐々に失速し、痛恨の痙攣で撃沈。

 

 

そこには、

 

 

「暑熱順化」不足により

「大量発汗」が起こり、

脱水症状が引き起こされた。

 

 

と考えられるのです。

 

 

<< 暑熱順化と大量発汗への対策 >>

 

 

・レース1週間前より、半身浴などで発汗を促す

(体温調節機能を刺激して汗腺を開いておく)

 

・レース2日前より水分補給増やしておく

(ウォーターローディング:体内に水分を貯める)

 

・レース前日の食事で塩分を多めに摂取(濃い味付け)

(ナトリウムローディング:体内に塩分を貯める)

 

・レース中に最初から水分と共に塩分も補給
(塩を舐めて、しょっぱいと感じなかったら危険信号!)

 

・レース中の気温上昇に備えてウェアの調節
(脱ぎ捨てられるビニール袋や手袋を外すなど

 必要以上に汗をかかない対策を施す)

 

・マグネシウム含有のジェルや痙攣予防の漢方薬の携帯

(芍薬甘草湯は痙攣予防に効果あり)

 

 

レース当日の天気予報で

気温が上昇しそうな場合は上記の様な

対策を事前に準備することで、

 

 

大量発汗による痙攣を最小限に抑える事が可能です。

 

 

昨夜は福マラ練習会に参加。

日曜日にフルマラソンを走ったのに、

いつものメニューをこなす変態さんが数名(笑

 

 

さが桜に向けて、汗をかく練習もやらんとね♪

 

 

 

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