フルマラソン完走のコツと後半失速しない為に「筋肉の質」を知る

マラソン
【筋肉の質によって得意なレース展開がある】 100m走や競輪の選手には人それぞれ 得意なレース展開があります。   ・先行逃げ切り型 ・後半追い込み型   この他にも中盤加速型などもありますが、 大きく分けるとこの2パターンになります。     どちらがレース展開を得意とするかを分ける 一つの基準として、     「筋肉の質」による特性があります。     よく、瞬発系の筋肉を「速筋(そっきん)」 持久系の筋肉を「遅筋(ちきん)」 と表現してこの二つの筋肉の割合によって 短距離系が得意な人と長距離系が得意な人とに 別れると言われます。     一般には 「速筋」の割合が多いと筋肉が肥大しやすく 瞬発的なパワーが高いので短距離向き。     「遅筋」の割合が多いと筋肉は肥大しにくく 持続的なパワーが高いので長距離向き。     と言われていますが、 フルマラソンに関して言えば、 「速筋」と「遅筋」の割合いは そこまで関係ありません。   ラストスパートでのダッシュ力だけを見れば、 「速筋」の割合が多い人の方がやや有利です。     また、最近の長距離界を席巻している アフリカ系の長距離ランナーの筋肉は 「混合筋(こんごうきん)」と呼ばれる   瞬発系にも長距離系の運動にも対応出来る オールマイティな筋肉の割合が多いので、 30km以降の爆発的なペースアップが可能とも 言われています。     この筋肉の割合は遺伝的要素が強く、 トレーニングで筋肉の割合を変える事は 難しいと言われています。   しかし、最近はマラソン向けの 「遅筋」に関しては練習次第で筋肉量が 増えるとの研究結果もあるので、 市民ランナーにとっては朗報ですね。     と、話が長くなってしまいましたが、     私が整体師として15年以上お客様の 施術に関わって来た中で、 この筋肉の割合とは別に     その人本来の筋肉のパフォーマンスを 十分に発揮する為の     「筋肉の質」     と言うものが存在します。   「筋肉の質」の特徴は   ・柔らかくて弾力のある筋肉 ・固くて弾力のある筋肉   大きく分けるとこの2パターン     しかし、実際には 10人のランナーの筋肉は十人十色。     ・マシュマロの様に柔らかい筋肉 ・軟式のテニスボール位の張りの筋肉 ・硬式の野球ボールの様に硬い筋肉   など、柔らかさや硬さの程度が人それぞれ。     弾力の差はありますが、 柔らかい筋肉と硬い筋肉には その筋肉の特性があります。     柔らかい筋肉の特徴として   ・運動開始から100%に近い力が出やすい ・疲れて来た時に踏ん張りが効きにくい     硬い筋肉の特徴として   ・運動開始直後は50%ぐらいの力しか出ない ・疲れて来た時でも踏ん張りが効きやすい     マラソンで例えると、   柔らかい筋肉は、スタート前に 軽いストレッチ程度で筋肉が温まってなくても、 スタート直後からいきなり速いスピードを 出す事が比較的簡単に出来ます。   ペースの上げ下げにも柔軟に 対応出来るので前半はかなり余裕を持って レースを組み立てる事が可能です。     しかし、後半筋肉が疲れて来た時に ペースを維持しようとしても 筋肉の踏ん張りが効きにくく、 自分の気持とは裏腹に徐々に失速して ペースダウンしやすい傾向があります。     硬い筋肉は、スタート前のアップや ストレッチが不十分で筋肉が温まっていないと、 スタート直後は全くと言って良いほど スピードが出せません。   無理にスピード上げようとすると、 筋肉に疲労が溜まり、15km位から動かなくなります。   しかし、しっかりと筋肉が温まってしまえば、 本来のパフォーマンスを発揮出来る様になるので、 スタート直後はややスローペースで筋肉に 負担がかからない様に徐々にペースアップする方が 無駄なエネルギーを使わずに後半に余 力を残す事が出来ます。   一番の特徴として、筋肉が疲れて来た時に 比較的踏ん張れる傾向にあります。 ただ、筋肉に踏ん張りが効く分、 あまり無理をし過ぎると、靭帯や関節などが 耐えきれずに炎症を起こしてしまいます。     柔らかい筋肉は踏ん張りが効きにくい分、 故障する程無理が出来ないのですが、   硬い筋肉は無理が効いてしまう分、 故障のリスクが高い傾向があります。     以上の筋肉の特徴をまとめると、     柔らかい筋肉のランナーは   先行逃げ切りタイプのレースが比較的得意   前半の動けるうちに、ある程度タイムの 貯金を作っておいて、後半疲れた時に 失速するペースを最小限に抑えつつ、 最後まで粘り切るレースが理想です。     硬い筋肉のランナーは   後半追い込みタイプのレースが比較的得意   最初の5km10kmで徐々にペースを上げて、 30kmまでに前半のタイムの借金を返済する。 終盤は踏ん張って心肺を追い込みながら、 最後までイーブンペースかやや上げてゴール。 ネガティブスプリットのレースが理想です。     自分の筋肉の質が 「柔らかい筋肉」か「硬い筋肉」かを 見分ける方法としては、     普段のジョグで、   ・走り始めから快適に走れる人は「柔らかい筋肉」   ・ひと汗かいた頃から快適に走れる人は「硬い筋肉」   これを目安にしてもらえると良いと思います。     私自身は「かなり硬い筋肉」で、 普段のジョグは30分を過ぎた辺りから ようやく調子が上がってくるタイプです。     実際にフルマラソンのレースでも 前半から突っ込んだレースはものの見事に 全てのレースで後半撃沈。     逆に前半を抑えて入ったレースは 後半で大きく失速する事無く イーブンペースかネガティブスプリットで 完走出来ています。     その日の体調や、天候など不確定要素もあるので、 筋肉の質だけでレース展開を決める事は 出来ませんが、自分の筋肉の質を知っておくことは 今後のレースメイクの参考になればと思います。   筋肉の質によって、練習メニューにも 得意・不得意がありますので、 上手に練習メニューを組む事も 走力アップに繋がります。  
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