フルマラソン自己ベスト更新のコツは練習の記録に一喜一憂しないこと

【中・長期的成長を目標に計画を立てて練習する】
自己ベスト更新を狙うランナーの多くは
右肩上がりに走力が速くなることを望んでいます。
ポイント練習の際には前回の設定よりも
速いタイムで走りたいと、ついつい無理をします。
これは走り始めて間もない頃の記憶が関係します。
運動経験の少ない人や運動しない時期が
1年以上の間隔を空けてマラソンに取り組み始めた人は、
走り始めて間もない頃は、自分の身体能力の
30%程度しか使えていない状態です。
人間の体は普段使わない筋肉は、
眠ってしまい錆び付いて動きにくくなってしまいます。
・町内の運動会のリレーで急に走った
・十数年ぶりに家族でボーリングをした。
・子供の一人暮らしで重い荷物を運んだ
普段運動しない人が急に筋肉に負荷をかけると、
怪我をしたり、翌日から酷い筋肉通に見舞われるのは、
眠ってしまった筋肉をいきなり使ってしまうからです。
しかし、人間の体には学習機能が付いているので、
定期的に運動をする事で、眠っていた筋肉が
呼び起こされて、本来その人がもっている
身体能力が100%に近い状態にまで活動出来る様になります。
実際に、マラソンの練習を始めて時間が経つに連れて、
1kmしか走れなかったのが、2km⇒5kmになり、
気が付けば10km走れる様になり、
10kmを走るのに90分近くかかっていたのが、
80分⇒70分⇒60分と記録が短縮される。
誰もが経験すると思いますが、
走るたびに右肩上がりに記録が伸びて行く時期があります。
これは、
運動不足が原因で眠っていた筋肉や運動神経が
走る事によって呼び覚まされて、
あなた自身の本来の身体能力がどんどんと
引き出されて100%に近づいている時に起こります。
運動の頻度や負荷のかけ方にもよりますが、
走り始めて2~3年は
フルマラソンを走るたびに
大幅な自己ベスト更新♪
で、マラソンが楽しくて仕方がない。
そんな時期があります。
しかし、ある程度走る事が習慣となり、
身体能力が限りなく100%に近い状態に
近づくのと同時に、記録は徐々に頭打ちになります。
フルマラソンの記録が
1時間や30分、15分と言った、
1キロ当たり1分や30秒と言う有り得ない
勢いで短縮出来ていたのが、
徐々に5分、3分…そして時には15秒がやっと。
と言った時期が訪れて、遂には
自己ベスト更新を狙ったにも関わらず、
後半失速して自己ベスト達成ならず…..。
と、言った経験をする事になります。
これは、自分の走力が限界と言う訳ではなく、
自分の本来の身体能力が最大限に引き出された
と考えてください。
ここからは、自分の身体能力を
100%から更に負荷をかけて1%上乗せしたり、
又はレース中のペース配分や
疲労を上手に抜いてレース当日のコンディションを
調えると言った事が重要になって来ます。
自分の身体能力を100%に引き出す期間の
走り始めて2~3年は、
・月間走行距離を伸ばす
・走るペースを速くする
練習計画を細かく立てずとも
走るたびに走力が上がって行く時期でもあります。
しかし、身体能力を100%から更に引き上げる時期
走り始めて3~5年以降は、
・自分の弱点を補強する
・故障しない負荷を見極める
自分の身体能力の限界を高めるという事は、
自分の筋肉の限界能力に更に負荷をかけて、
耐えられるだけの筋力と精神力を養わなければなりません。
思い付きの練習やその日の気分で自分の好きな様に
走っているだけでは走力が上がらないだけではなく、
最悪の場合は故障に繋がってしまう危険性が出て来ます。
でも、過去の記憶には
走れば走った分だけ速くなって来たフルマラソン
の記憶が鮮明に残っています。
毎日、楽しく走っていただけなのに、
レースに出るたびに自己ベストを大幅更新♪
これは、あくまでも
自分の身体能力が本来の力を
十分に発揮出来ていなかった時期に
限られた事なので、
身体能力がある程度引き出された時点で
次のステージに進むには
目標レースを決めて綿密とはいかないまでも、
ある程度の練習計画が必要になって来ます。
過去のレースを振り返って、
月間走行距離も走るペースも
それなりに充実していたにも関わらず、
思う様な結果が得られていない
レースが2.3本続いている場合は、
フルマラソンとの向き合い方や
練習計画を見つめ直す時期に
来ているのかもしれません。
身体能力を100%から更に引き上げる場合、
今までの様に右肩上がりの成長は難しくなります。
「ちょっときつい」と感じる練習を
数回繰り返す事で徐々に筋肉的にも精神的にも
余裕度が増して来て、
「ちょっときつい」が「ちょっと楽かも?」
位に感じられる様になります。
その段階で「ちょっときつい」と感じる
距離やペースにレベルアップ。
ひたすらこの単純作業の繰り返し。
地味で単調な練習の積み上げた先に
僅か数秒だけど、言葉には代えがたい
「自己ベスト更新」が待っています♪