肩の痛みを感じて整形外科などを受診した際に
診断名として良く耳にするのが、
肩関節周囲炎(別名:五十肩)
五十肩の改善方法については
こちらの記事を参考にされてください。
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肩の痛み五十肩と腱板炎では改善方法が違う~五十肩編~
腱板炎は肩を支える筋肉や腱(スジ)の炎症が原因
五十肩とは別によく耳にする診断名が
腱板炎(けんばんえん)
五十肩と腱板炎の大きな違いは
五十肩は一種の加齢に伴う肩の関節の油切れに
伴う肩関節の炎症に対し、
腱板炎は
肩の関節や筋肉に強い負荷がかかった事による
肩関節と腕の骨を繋ぎ合わせる
腱(スジ)が
炎症を起こした状態
を表します。
- 転倒した際に手を付いた
- 重い荷物を片手で運んだ
- 急にキャッチボールを何時間もした
肩の関節に何らかの形で強い負荷がかかった際に
腕の骨と肩甲骨を繋いでいる
腱板と言われる
肩の関節を支える筋肉(腱)がダメージを受けた事により
筋肉(腱)がの一部が切れたり(部分断裂)
筋肉(腱)に炎症を起こした状態
を引き起こし、肩の痛みとして感じます。
五十肩と腱板炎の見分け方
五十肩の代表的な症状としては、
- 腕が上がらない(両手を上に挙げると、挙げられる高さが違う)
- 腕を後ろに回せない
- 肩の関節を大きく動かすほど痛みが増す
- 両肩同時に上がらなくなることがある
基本的には肩の関節自体が炎症を起こすので、
酷くなるとちょっと動かしただけでも痛みを伴い、
日常生活に大きな支障を来たすのが特徴です。
それに対して、
腱板炎の場合は、
- 腕は上がるが上げる角度によって痛みがある
- 腕をゆっくり降ろす際に痛みを伴う
- 肩を使い過ぎると痛みが増す
五十肩との違いは、特定の動きや角度によって痛みを伴う事が多く、
肩の動かし方さえ気を付ければ、
日常生活にはさほど支障がないのが特徴です。
同じ動作を繰り返すような仕事をする人に起こりやすい症状で、
- 野球のピッチャーの様な投球動作
- のこぎりを押したり引いたりする動作
- 腕を上げたり下げたりする動作
腕と肩を繋げている筋肉を収縮させる様な動作を繰り返す事で
筋肉が疲労して硬くなっても、動かし続ける事で筋肉に部分的な
断裂が起こったり、腱全体に炎症を起こしてしまいます。
五十肩は動かす。腱板炎は安静が大事。
五十肩と腱板炎では基本的な改善方法が異なります。
五十肩は関節の油切れによる炎症なので、
肩と腕を繋いでいる筋肉や腱自体には何の問題もありません。
筋肉や腱は使わないと、段々硬くなって筋肉自体の
柔軟性が失われて行きます。
学生時代に部活で体操や柔道などで毎日柔軟運動をして
体の柔らかかった人が、部活を辞めて柔軟運動もしなくなると、
体はあっと言う間に硬くなります。
筋肉は使わなければ、どんどん硬くなります。
その為、五十肩で肩を動かすと痛みを伴うからと言って、
肩周辺の筋肉を動かさないでいると、筋肉はどんどん硬くなっていきます。
痛いから動かさない ⇒
動かさないから筋肉が硬くなる
⇒
筋肉が硬くなるから肩を動かすと余計に痛む
この様に、五十肩は動かさなければ症状が悪化します。
一方で、腱板炎の場合は痛みのある動きはなるべくしない。
特に、じっとしても痛む様な場合に限っては安静が必要になります。
腱板炎の場合は、肩の関節自体には問題がなく、
肩と腕を繋ぐ筋肉や腱に炎症や部分断裂が起こっているので、
炎症を抑え込み、断裂した部分の修復が必要になります。
腱板の炎症が酷く、患部が熱を持っていたり、腫れている場合は
保冷剤などで
患部を冷やすアイシングを行う必要があります。
炎症を起こした状態をそのままにしておくと、
炎症を起こしている筋肉の組織はどんどんダメージを受けてしまうので、
アイシングをする事によって、早く炎症を抑える事が重要です。
プロ野球の投手が試合で投げた後に肩や肘の関節を
アイシングしているのを見たことがありませんか?
あれは、痛みを伴わなくとも関節を支える筋肉は
繰り返し使われる事で熱を持ち、炎症を起こしかけているのを
アイシングで素早く炎症を抑える為に行っています。
Jリーグのサッカー選手は試合後に下半身の筋肉の炎症を
抑える為に下半身だけ氷風呂に浸かる事もあります。
肩関節を支える筋肉や腱をアイシングで炎症を抑えた後は
今度は患部を温めて血行を良くする事で素早く筋肉や腱に
血液から栄養を与えて回復力を上げる様にします。
一般の家庭であれば、患部をアイシングした後に
お風呂で少し熱め(40~41℃)の湯船にゆっくり浸かり、
体の芯から温めて全身の血行を促進します。
入浴後、まだ患部に熱や腫れがある場合は
湿布薬などを貼って薬の成分で炎症をより効果的に
抑える事が重要になります。
腱板炎はとにかく筋肉や腱の炎症を素早く抑える事が
症状の悪化を防ぎます。
まとめ
腱板炎は五十肩とは違い、
肩を支える筋肉や腱の炎症が原因です。
患部が熱を持っていたり、腫れている場合は
アイシングをする
痛みが取れるまではなるべく安静にして
痛みのある動きは避ける
この辺りをしっかりと意識して早期の改善を心がけましょう。