寝不足で疲れが溜まると起こる偏頭痛

頭痛
偏頭痛の原因は疲労の蓄積です。
  • 連日の残業続きで睡眠時間が減っている
  • 出張で移動時間が長く、重たい荷物を持って沢山歩いた
  • 子供のお弁当作りや塾の送迎で休む暇がない
  • 新しい職場で常に緊張している
一日の活動量がいつもより増えたにも関わらず 体を回復させるための休憩時間や睡眠時間は 一緒か、むしろ減っている。   そんな生活パターンが1週間以上続けば、 体には徐々に抜けきれない疲れが蓄積して来ます。  

目次

疲れは筋肉を硬くして偏頭痛を引き起こす

忙しい毎日を過ごし、睡眠時間も十分に取れない様な 生活パターンが続く事で、身体には見えないけれども 疲れが徐々に溜まって来ます。
  • 朝目覚ましが鳴っても起きられない
  • 夜中に何度も目を覚まして熟睡感がない
  • 起きた直後は全身の関節が固まった感じがする
  • 午前中は頭がボーっとして集中できない
  • 夕方になると眠気に襲われて思う様に動けない
こんな症状を感じたら、体に疲れが溜まっているサインです。 疲れが溜まった結果、回復力が低下して余計に疲労が蓄積 しやすい悪循環に陥る事で偏頭痛が起こります。 そのメカニズムをご説明します。  

血液は宅配業者とゴミ収集業者を兼任する働き者

体は起きて活動する事で疲労物質が作られます。 ろうそくに火を付けた時に出る「煤(すす)」みたいなものです。 日本では昔、大掃除の際に壁や天井の汚れを綺麗にする事を 「煤払い(すすはらい)」と言っていましたが、 室内でろうそくに火を付けたり、囲炉裏で炭を燃やした際に 出る煤が知らず知らずのうちに天井や壁に汚れとして 溜まったものを綺麗にすると言う意味です。   これと同じ様に人間の体も筋肉を動かす事で エネルギーを発生させ、エネルギーを発生させる際に 煤の様なものとして、疲労物質が筋肉の中に徐々に蓄積されるのです。   その疲労物質を蓄積させない様に 疲労物質を回収する役目をするのが血液です。 血液は常に循環していて、心臓から送られた新しい血液は 筋肉や神経を正常に機能させる為の栄養素を運んでいます。 筋肉や神経に新しい栄養を渡した際に、筋肉や神経に発生した 疲労物質を回収して肝臓や腎臓と言った排泄処理を行う 内臓へ疲労物質を運搬しているのです。   血液は栄養を運ぶ宅配業者と疲労物質を回収するゴミ収集業者を 一手に引き受ける働き者なんです。  

血液量を増やすには血管を広げる

激しい運動をした時はゼェゼェハァハァと息が上がり、 脈拍も激しくなります。 これは、速く走ったり、動いたりするためには 筋肉を素早く動かすための栄養と酸素が必要となり、 その為に呼吸の回数を増やすことで体に多くの酸素を取り入れ、 脈拍を増やす事で血液の循環する量を増やす為に 必然的に起こる現象です。   体に疲れが溜まった時も同じで、筋肉や神経に いつも以上の疲労物質が溜まった状態になると、 脳から「もっと血液の循環量を増やせ!」と 全身の細胞に命令が出ます。 そこで、心臓は鼓動を速めて血液の量を増やします。 血液の量が増えるという事は、血管の中を流れる 血液の量が増えるということです。 私達の現実の世界で言えば、車が血液で血管が道路の関係。 車の量が増えて道路が狭ければ、渋滞が起こります。   体も同じで、血液(車)の量が増えれば、血管(道路)を 広げない限りは渋滞が起こってしまいます。 血液(車)の量 > 血管(道路)の広さ = 血圧の上昇(渋滞) そこで、血圧を上昇させないために、 体は血管を広げて血圧を一定に保とうとします。  

筋肉を緩めて血管の圧を弱くする事で血管は広がる

水道の蛇口から出る水の量を増やす時、 私達がすることは、 蛇口を緩めて圧を下げる。 水道管には常に水が満ちていて、私たちは 必要に応じて蛇口を開いたり締めたりする事で 水の量を調整しています。   これと同じ事が体の中の血管で行われています。 血液の流れる量を増やして血管を広げる為に 体がしなければならない事は、 筋肉の緊張を緩めて血管の圧を下げる お風呂の湯船に浸かると、思わず「あ~~っ」と、 声が漏れるのと同時に全身の力がスーッと 抜けるのを感じたことがありませんか? 温かい湯船に入り、体温が上昇すれば、 体温を下げるために、血管や汗をかく汗腺が開き 血液の循環量を増やすことで体は体温を 一定に保っています。 お風呂上りにサーモグラフィ画像などで 人間の体を撮影すると、全身が赤くなって 体表面の温度が上がっているのは、 血液の循環量が増えて熱エネルギーが通常よりも 増えている事を示しています。   筋肉や神経に疲労物質が溜まって来ると、同じように 筋肉の緊張を緩めて血管の圧を下げて血液量を増やし 血液の循環量を増やすことで 体は筋肉や神経に届ける栄養を増やすと同時に 筋肉や神経に溜まった疲労物質を回収する量も増やす事で 素早く疲れを回復しようとするのです。 ところが…  

血液の流れる速度が安定せずに起こる拍動

ドアの蝶番が錆びたり、引き戸のレールにゴミが詰まったりすると、 ドアが思う様に開かなくなる事があります。 筋肉も同じように筋肉に疲労物質が溜まり、筋肉の動きを 妨げる様になると、筋肉を思う様に伸び縮み出来なくなります。   筋肉が思う様に緩まなければ、血管の圧を下げる事が出来ずに、 結果的に血管が十分に広げる事が出来ません。   血液の量 > 血管の広さ = 血圧の上昇   筋肉に疲労物質が必要以上に溜まる事で 筋肉が十分に緩まなかった事で血圧が上昇してしまいます。 筋肉の緩み具合も、疲労の溜まっている筋肉は緩みにくく 疲労の溜まってない部分は十分に緩んでいるので、 筋肉の場所によって血管の広がり具合に差が出来てしまう   現実で例えるなら、 4車線の道路(血管)で車(血液)がスムーズに流れていたのが、 急に2車線の道路(血管)になった所で車(血液)の渋滞が起こる。   そんな状況が血管にも起こっているのです。 血液の流れが速くなったり、遅くなったりする事で 拍動(はくどう)と言われる血管が脈を打つ様な状態が発生します。  

血管の拍動が三叉神経を刺激して偏頭痛が起こる

血管は筋肉を間を縫う様に走っていて、 その血管に沿う様に神経も走っています。 頭の中には無数の血管が筋肉や神経の間を縫う様に走っています。 その中でも一番大きな神経である三叉神経の周りには多くの 血管が走っています。   首や肩の筋肉に疲れが溜まり、いわゆる首コリ肩コリの状態で 心臓から首や肩を経由して脳へと繋がる血管で先程説明した 拍動の状態が起こります。 首や肩の筋肉周辺で血液の流れに渋滞が起こり、渋滞を抜けた 瞬間に一気に血液の流れが速くなる。 拍動によって、三叉神経が刺激を受けると、 その刺激が脳に痛みとして伝えられた結果 偏頭痛としてズキンズキンする痛みを感じるのです。  

偏頭痛を改善するには疲れが溜まった筋肉を緩める

偏頭痛で内科や脳神経外科を受診すると、処方される薬として、 筋肉を緩めて血行を改善する薬などが出る事があります。 これは疲れが溜まって緩みにくくなった筋肉を薬の成分を使って 強制的に筋肉を緩める事で、拍動を改善する事が目的です。 薬を使わずに偏頭痛を改善するには、
  • 疲れの溜まった筋肉を温めて緩める
  • 疲れの溜まった筋肉を揉んで緩める
と言った対処法が有効になります。 しかし、根本的な改善となると、休息や睡眠時間を十分に摂る事で 体の中に蓄積された疲労を排毒(デトックス)する事で 筋肉や神経の本来の疲れの溜まっていない正常な状態に回復させる 事が重要になって来ます。
タイトルとURLをコピーしました