雨が降る前に頭痛や肩こりを感じる人が少なくありません。
朝起きて、何となく体が重いなぁ~。と感じているうちに
徐々に肩が凝りだして、しばらくすると頭痛を発症。
天気予報では降水確率30%なんて言われて、
「雨は降らないのかな?」
なんて、思っていると雨雲がどんどん出て来て、
降水確立30%なのに、雨が降り出す。
雨の予報は
「下手な天気予報より、私の頭痛の方がよっぽど当たる」
そんな風に感じている人も多いのではないでしょうか。
そもそも、何で雨が降る前に頭が痛くなったり、
肩が凝ったりするのでしょうか?
これには、気圧の変化と神経や筋肉の疲れが関係しています。
気圧が下がると血流が悪くなり頭痛が起こる
私達が住む地球は目には見えないですが、空気(大気)に覆われています。
空気にも重さがあり、私たちの体は常に空気に押されています。
通常海面上での大気の密度を1気圧と言う基準で計測しますが、
雨が降る前は気圧が下がり、頭痛や肩こりの症状が出やすくなります。
気圧が下がると、なぜ頭痛や肩こりが酷くなるのか?
その原因と対処法をお伝えします。
体を抑えつける力が弱くなると血行が悪くなる
晴天の日は高気圧に覆われていて、
低気圧がやって来ると天気が崩れる。
テレビの天気予報などでよく耳にするフレーズだと思います。
私達の体は空気(大気)によって、抑えつけられています。
天気の良い日は
高気圧に抑えられていて、
天気の悪い日は
低気圧に抑えられている訳です。
高気圧=
体を抑えつける力が強い
低気圧=
体を抑えつける力が弱い
これが何を意味するかと言うと、
体の中の
血液の循環に影響を及ぼします。
地球には
重力が働いています。
重力は常に私たちの体を下へ下へと引っ張る力が
あるので、地面に立っている事が出来ます。
宇宙には重力がないので、宇宙飛行士が
スペースシャトルの中でフワフワ浮いている映像が流れますよね?
地球の重力が無ければ、私たちはフワフワ浮いてしまうのです。
この
重力と
気圧の関係が私たちの体調を大きく左右します。
心臓の鼓動によって体を循環する血液は重力に逆らって
心臓から脳へ、また下半身から心臓へと流れて行きます。
重力に逆らって
血液を押し上げるポンプの役割をするのが、
筋肉の収縮と
大気の体を押し付ける力(気圧)になります。
気圧が下がると、体を押し付ける力が弱まります。
その結果…
血液を循環させる力が弱くなる = 血行が悪くなる
血行が悪くなれば、血液から酸素や栄養を
供給してもらっている筋肉や神経は活動が鈍くなり、
疲れやすくなってしまいます。
また気圧が低い分、筋肉が余計に収縮して
血液を循環させようとするので、筋肉もいつも以上に
エネルギーを消耗してしまいます。
その結果、肩や首の筋肉も疲れて硬くなり、
血行不良による肩こりや頭痛を引き起こしてしまうのです。
体内の水分が気圧の変化に反応する
大気のバランスが崩れて、気圧が下がり始めた頃が
体調に一番異変を感じます。
これは、気圧が一刻一刻と変化するのに対して
体内の水分が反応して体が膨張する事が原因です。
人間の体の約70%は水分なので、体内の水分に含まれる
空気圧が体の外の大気圧とのバランスが崩れてしまうからです。
標高が2000mを超える様な山の頂上付近ではポテトチップスの袋が
パンパンに膨らんでいるのを知っていますか?
上空10.000m付近を飛行する飛行機の中でも同じ様に
ポテトチップスの袋がパンパンに膨らみます。
これは、標高が高い所では空気が薄くなり気圧が下がるからです。
ポテトチップス内の気圧 > 外の気圧
外の気圧が下がった事で、ポテトチップスの袋を抑える
力が弱まった為に、ポテトチップス内の気圧に袋が
押される形で膨らんでしまったんです。
天気が崩れると体にも同じ事が起こります。
天気が崩れると、気圧が下がり体を抑えつける力が弱まります。
すると、体内の水分が気圧の低い方へと流れる為、
体内より外の気圧が低い場合、体内の水分は外気に近い
体の表面へと移動して来ます。
ポテトチップスの袋がパンパンに膨らむ様に
気圧が下がった事で体も膨らんでしまった状態になります。
体の表面に水分が集まった状態がむくみです。
むくみは筋肉の収縮を邪魔するので、結果的に
血液が流れにくくなり、血行が悪くなったことで
筋肉に疲れが溜まり、
頭痛を引き起こしてしまいます。
筋肉を緩めて血行を良くすると頭痛は軽減する
気圧が下がり、体を抑えつける力が弱まった事で
血行が悪くなり、筋肉に疲れが溜まった事で引き起こされる頭痛。
頭痛を軽減するために私たちが出来る事は、
- 適度な運動で筋肉を刺激して血行を改善する
- 半身浴などで汗をかき体温を上げる
- 温かい飲み物や根菜類を食べて体を温める
- 筋肉をマッサージなどで緩めて血行を改善する
頭痛薬などで症状を一時的に緩和する事も可能ですが、
根本的な改善にはならない為に、薬の効き目が切れると同時に
再び頭痛が再発する事も珍しくありません。
根本的な頭痛の改善には、
気圧の変化にも影響を受けない適応力のある体作り
が重要になります。
- 一日中デスクワークで座っている時間が長い
- 立ち仕事や重い荷物を運んだり、肉体的疲労が溜まりやすい
- スマホやタブレット端末を使って目を酷使している
- 家事や子育てに追われてゆっくり休む暇がない
同じ筋肉ばかりを使っていたり、自分の体力以上に動いている事が多い人は
常に体に疲れが溜まっていて、ちょっとした気圧の変化にも
体が適応出来なくなって頭痛を引き起こしている事が少なくありません。
頭痛は体が疲れているサインです。
仕事や家事、育児はもちろん大切ですが、頭痛が出る程疲れている状態で
仕事や家事を頑張っても能率が下がってしまい、無駄に時間ばかりがかかって
余計に疲れが溜まり、頭痛を悪化させる原因にもなります。
まずは頑張っている自分の体を受け入れてあげて、
しっかりと体を休めて体に溜まった疲れを取り除いてあげる事を優先してください。